写真・図版
記者会見する兵庫県の斎藤元彦知事=2024年12月11日午後3時4分、神戸市中央区、添田樹紀撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事らのパワハラ疑惑などを内部告発した文書の真偽を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)は25日午後、斎藤氏への証人尋問を開始した。

  • 公益通報めぐる証言の「食い違い」が焦点 兵庫県知事らに最後の尋問

 斎藤氏への尋問は8月30日、9月6日に続いて3回目。斎藤氏が県議会で不信任決議を可決されて失職し、11月の出直し選で再選してからは初めてとなる。百条委は今回を「総括審議」とし、尋問はこれで最後になる見通し。

 斎藤氏は午後3時ごろ、黒っぽいスーツで会議室に入った。真実を述べると宣誓した後、委員からは、斎藤氏が告発文書を入手した3月当時の県幹部との協議についての尋問から始まった。

 百条委は地方自治法100条に基づいて設置された。証言拒否や虚偽の陳述をした場合には罰則があり、強い調査権限を持つ。

 告発者の元西播磨県民局長は3月、パワハラなど斎藤氏らに対する7項目の疑惑を文書に記し、匿名で一部の報道機関などに送った。斎藤氏は知人から文書を入手。同21日に幹部に調査を指示し、同25日には片山安孝前副知事らが元県民局長のもとを訪れ、公用パソコンを回収した。

 元県民局長は4月、県の公益通報窓口に3月とほぼ同じ内容を告発した。だが、県は公益通報の調査結果が出る前に、内部調査で「(文書の)核心部分が事実ではない」と結論付け、5月に停職3カ月の懲戒処分を出している。

 百条委では、告発者を特定したことや3月の告発を公益通報と扱わずに処分したことなどが問題視された。

 過去の尋問で斎藤氏は、告発文書は「誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書と認識している」と強調し、処分についても「今も適切だと思っている」との認識を示した。

 告発文書で指摘されたパワハラについては、県幹部らを叱責(しっせき)したり、話している途中に付箋(ふせん)を投げたりしたことや、勤務時間外に側近らに繰り返しチャットで指示を出したことを認め、「いくつかの行為は不適切だった。反省したい」と発言していた。

共有